「農林水産業みらいプロジェクト」の助成を受け、水管理のノウハウの集約などを目指したプロジェクトを実施しました。このページは、2020年から2023年に実施した自動給水機モニター募集のページを基に、プロジェクト紹介ページとして公開しています。
農林水産業みらい基金の紹介
農林水産業みらい基金(以下「当基金」)は、2014年に農林中央金庫から拠出を受けた基金により設立されましたが、公平公正・中立的な立ち位置を守り、独立した意思決定の下で運営しています。
当基金が展開する「農林水産業みらいプロジェクト」では、前例にとらわれず創意工夫にあふれた取組みで、直面する課題の克服にチャレンジしている地域の農林水産業者へのあと一歩の後押しを通じて、農林水産業と食と地域のくらしの発展に貢献したいと考えております。
助成先については厳正な審査を行った上で、今後に向けてのモデルとなり得る事業を採択することとしております。
また、様々な農林水産業者の取組みの参考となるよう、各事業を継続的に情報発信しております。これにより、発展的効果が全国に波及していくことで農林水産業のみらいに貢献することを目指していきます。当社は2020年度助成対象事業に選ばれ、3年間のプロジェクトを実施しました。(基金webサイトより抜粋 https://www.miraikikin.org/about/)
当社のプロジェクト紹介
農匠技術開発プラットフォーム構築-農家目線の次世代稲作イノベーションを目指して-
稲作における水管理の重要性は知られていますが、多くの圃場が、パイプラインのない開水路水田となっており、用水路の形状や給水方法が地域によってまちまちであることや、自動給水機の導入コストがボトルネックとなって、普及が進んでいません。
このプロジェクトは、当社が全国の稲作経営者をはじめ、大学・行政・JAと連携して、全国の多様な圃場の状況に対応できるような自動給水機の汎用化・低コスト化を図るとともに、自動給水機使用や水管理のノウハウを全国から集積し、可視化することで、「農匠技術開発プラットフォーム」を構築するものです。 今後、担い手への集約化や生産委託が進むと、分散した多くの圃場を管理する必要性が増し、水管理の省力化・高度化の重要性はますます高まることが想定されます。自動給水機の普及に加え、「農匠技術開発プラットフォーム」の構築により、水管理にかかるノウハウを共有できるようにすることで、次世代の後継者育成にも貢献することを目指します。
▼プロジェクトの概要▼
農匠自動給水機モニター
全国の農業者、試験場などに、農匠自動給水機を設置してもらい、活用方法や意見を共有しました。30道府県、162名のモニターに参加いただき、全国に711台が設置されています。
モニターから頂いた意見などを基に、給水機の改良を行いました。軽量化、操作性向上、低電力化などを実現することが出来ました。
youtubeチャンネル「農匠ナビ」
https://www.youtube.com/@noshonavi
youtubeチャンネルを開設し、農匠自動給水機の紹介や稲作作業動画などをアップしています。
稲作の作業に沿って、種子から収穫・乾燥調整まで、そのポイントを紹介するシリーズ「省力・高効率の米づくり」など。
アウトリーチ活動
日本農業新聞、現代農業、農業共済新聞ほか新聞・雑誌に掲載されました。また、2022年10月に幕張メッセで開催された農業EXPOに参加して多くの方に来場いただきました。県試験場などで説明会も実施しました。
▼給水機設置事例▼
モニターからいただいた投稿を基に、設置事例集を作成しました。圃場に設置された給水機の様子、モニターの工夫をご覧いただけます。うまく表示されない場合、次のリンクから専用ページでご覧いただけます。農匠自動給水機ポセイデン 設置事例集(外部リンク)
モニターの工夫アイデアをテーマ別にまとめた、アイデア集を作成しました。農匠自動給水機を導入・活用する際の参考としてご活用ください。画像端の矢印(<と>)で別のアイデアを見られます。
▼モニター募集ページ▼
定員に達したため、モニター募集は締め切りました。
たくさんのご応募ありがとうございました!
以下の情報は募集当時のものであり、現状と異なる場合があります。
▼農匠自動給水機とは▼
農匠自動給水機とは、農家自らが開発した、開水路ほ場の給水を自動化する装置です。
新発想のシンプル設計
ホースが昇降する独自方式で、ごみの詰まりが少ない!
簡単設置・簡単操作
本体を固定したらホースをつなぐだけ。
上限と下限を決めるだけで目標水位をキープできます
大口径・スピード
150mmの大口径により素早く湛水できます!
カスタマイズ可能
シンプルな構造なので、自分で修理やメンテナンスできます!
▼[台数限定!]モニター募集中▼
モニターに参加すると、2023年新型モデルの農匠自動給水機を無料でお使いいただけま。
使用しての効果や課題など、「現場の声」をお聞かせください。我々と全国のモニターの中で貴重な現場情報を収集・蓄積・共有し、皆さんと協同で、稲作の水管理技術を向上を目指しています。また、ノウハウの共有、情報発信を行う、web研修会にご参加いただけます。
モニター募集は、一般財団法人 農林水産業みらい基金による「農林水産業みらいプロジェクト」の助成を受けて、プロジェクト名「農匠技術開発プラットフォーム構築 ー農家目線の次世代稲作イノベーションを目指してー」として実施しています。
▼モニター参加者 インタビュー▼
2021年よりモニターにご参加いただいた方々に、農匠自動給水機を設置する際の苦労や工夫、活用方法を伺いました。
冠雪が美しい岩手山の麓で稲作をしている工藤嘉充 さん。設置が大変だったので、高さ調節の専用台を自作するなど、創意工夫に驚きです。 …続きを読む
秋田県にかほ市で兼業農家を営む、斎藤徹さん。とっさの機転で手近なものを上手に使って、農匠自動給水機を活用してくださっています。 …続きを読む
▼モニター参加の流れ▼
モニター申し込み
ページ下のボタンから申し込みます。
参加決定の通知
事務局より、メールでモニター参加決定のお知らせいたします。
送付
モニター機を発送いたします。
送付時期の希望がある場合は事務局までご連絡ください。
設置
いつでも設置できますが、田植え直後の設置がおすすめです。
使用開始!!
農匠自動給水機を使用いただき、「現場の声」をお聞かせください。
事務局やモニター参加者間では、メールやLINEなどでいつでも交流できます。
▼開発者の想い▼
茨城県で稲作をおこなっている(有)横田農場の横田修一です。164ha 414筆の水田を耕作していますが、年間の水管理に1000時間以上を費やしていました。省力化したいけれど、水管理をおろそかにして品質を落としたくないという思いから、同志の稲作農家と共に農匠ナビ1000プロジェクト*に参画して、自動給水機の開発をはじめました。
はじめはソーラーパネルや遠隔操作など高性能な機械を試作していましたが、高価になる上、ほ場によって不要な機能もありました。試作機は経営として重要な費用対効果がなく、農家として買いたい機械にはなりませんでした。
そこで、思い切ってシンプルで汎用性の高いものに方向転換しました。シンプルな構造にすることで、値段が安くなる上、修理やカスタマイズが簡単にできるようになったのです。
こうして出来上がったのが農匠自動給水機です。ホースを上下させる簡単な仕組みは、ゴミつまりによる動作不良や水漏れの心配がありません。また本体と水路はホースで接続するので、設置場所の自由度も高いのも魅力です。私の農場では現在5台を設置して水管理の見回りの時間が700時間まで削減できました。
農匠自動給水機はカスタマイズのしやすさが最大の特徴です。地域や圃場の特性に合わせて、みなさんのアイデアで使いこなしてほしいです。
*[資金配分機関]農研機構
[研究代表者]九州大学教授南石晃明<詳細リンク>
▼モニター申し込みフォーム▼
モニター参加は、下の申し込み欄に入力後、「送信」を押すと完了します。
定員に達したため、モニター募集は締め切りました。
▼ よくある質問▼
Q:パイプラインに設置できますか?
A:パイプラインのほ場には設置できません。
Q:どのような水路・ほ場に設置できますか?
A:開水路のほ場であれば使えます。ただし工夫が必要な場合などがありますので、まずはこちらのページをご覧ください。また、個々のケースにもお応えしますので下記よりお気軽にご相談ください。
Q:モニターは何をするのですか?
A:アンケートへの回答やLINEでの写真・動画の提供、研修会への参加をお願いします。
Q:購入台数の制限はありますか?
A:制限はありません。ただし、予定台数に達し次第受付を終了しますので、お早めにお申し込みください。
Q:給水機の購入に利用可能な補助金はありますか?
A:条件に応じて案内できる場合がありますので、お気軽にお問い合わせください。
Q:途中でモニターをやめることはできますか?
A:可能です。やむを得ない事情でモニターを中止される場合は、事務局へご連絡ください。
▼製品仕様▼
以下の情報は2022年モデルのものです。仕様が異なる場合があります。詳しい仕様については、上記までお問い合わせください。
製品名 | 農匠自動給水機 |
型番 | NAS-300A |
寸法 質量 |
本体︓255×250×680(W×D×H)mm 重量︓10Kg 水位センサー1Kg 給水管︓内径152mm ⻑さ500mm |
付属品 | 取扱説明書 |
開発:農匠ナビ株式会社
製造 : サタケ豊栄株式会社
販売:グレインマシナリー西日本株式会社